強固な舗装は下から作り上げる

 1955〜73年(昭和30〜48年)の20年近くの間、日本は高度成長期を迎え、世界屈指の経済大国になりました。その成長を支えたのが道路の整備です。日本全国津々浦々に道路網が整ったことで、人と物流が行きかい、経済活動を盛んにすることができました。
 しかし、道路整備は容易に進んだわけではありません。中でも、日本特有の特殊な土壌や軟弱地盤の上に、安全で耐久性のある道路をつくることは、まさに「苦闘」でした。
 NIPPOは総力を挙げて、道路の基礎となる地盤を強固にする土質安定処理や地盤改良の開発に取り組みました。その結果、世界に誇る多様な施工機械群が誕生しました。
 この時に培われた「ものづくり」の伝統は脈々と受け継がれ、老朽化した舗装を路盤材としてその場で再利用する「ロードスタビライザ(Road Stabilizer)」を作り出しました。

ぬかるんだ未舗装の道路を行きかう自動車

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特殊機械「ロードスタビライザ」には、強力な刃である「ロータ(Rotor)」を組み込んでいます。既設のアスファルト層や路盤を破砕しながら前進し、それらをそのまま強固な路盤材として再生使用できる機械です。この工法は路上路盤再生工法「FRB工法」と呼ばれ、 ローコストで舗装を再生でき、かつ省資源に貢献します。
その際、接着効果を高める目的で「乳剤」を混ぜますが、その代わりとなる、体積が10〜20倍に膨張する「フォームドアスファルト」の発生装置も開発しました。1/2の添加量でも均一な混合ができ、 路盤材を強力に粘着させることができます。
「ロードスタビライザ」は、強固な路盤をより早く作り出すとともに、道路の早期開通、限りある資源の保持に寄与したいという開発者の熱い想いの下、建設機械メーカーと共同で開発したものです。

施工中のロードスタビライザ(緑の車両)

   FRB工法の概念図                                      フォームドアスファルトの体積膨張
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アスファルト舗装は、表面にアスファルト層である「表層・基層」があり、その下に、砕石の「路盤」、土の「路床」、さらに深い部分が「地盤」という層になっています。地盤は深さ3〜5mを目処に「浅層地盤」「深層地盤」に分かれます。
NIPPOはさまざまな層の土質を改良・安定化する混合機械や散布機械を開発しています。また、土などと混合する安定材には、セメント、石灰、固化材などがありますが、工事中の塵の発生を防ぐ安定材「テフィックス」も開発しました。
軟弱な路床を安定化
ディープスタビライザ

路床・路盤の安定処理において、路床用の「ディープスタビライザ」と、路盤用の「ベーススタビライザ」を開発しました。(路床用「ディープスタビ工法」)(路盤用「ベーススタビ工法」)
超軟弱地盤やヘドロを改良
マッドスタビライザ

深さ1〜 4m の「浅層地盤」を対象として開発した施工機械です。 湿地帯などの超軟弱地盤や埋立地のヘドロなどを強固な地盤に改良します。(「マッドスタビ」)

効果的に散布し工事を迅速化
固化材散布機

規模の大きな工事において安定材を効率的に散布するために開発した機械です。省力化・高精度に加え、防塵性能も高い機械です。